そこは幻想の国 ラメ~ル! ボイスメカニクスin島根

 

島根の雲南市でボイスメカニクスのライブ。

 

「今回の島根のライブ会場、やばいっす」とは、マネージャーのタイチ氏から事前に聞いてはいたが、現実に目の当たりにして驚愕。

「な、なんだ!この田んぼの中に忽然と現れる、メルヘンな建物は!」

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この建物の名前は「ラメール」。フランス語で海。なんでも雲南市は霧が多く、山の上から見ると海にうかぶ町のように見えるからだとか。・・・なんて幻想的なんだ。

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さて、このおとぎの城で一日目はライブではなくて「チワワ笛」のワークショップ。過去最高の50人の子供たちと手作りチワワ笛を作りました。雲南市の子供たちは、はさみの使い方がうまくてびっくり。東京ででチワワ笛のワークショップをすると、はさが使えない子がいたりして、「はさみワークショップ」をまずやらなあかんかったりします。

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明和電機のライブツアーも今回が4会場目。ひとつ前の高知ライブで、だいぶん段取りがうまくなったので、さらに今回は練習を重ねてパワーアップ。

 

雲南市にはむかしから「明和電器」という有名な会社があり、会場の問い合わせにも「あの明和電器さんが、イベントをされるんですか?」という、社内演芸大会と勘違いされてる方がいらっしゃったらしいです。現在は「明和」と社名を変えた雲南市の明和さん、なんとライブの後援もしていただいたそうで、ありがとうございまいた!

その明和効果かどうかわかりませんが、会場には小さい子供(赤ちゃん!)から、おじいちゃん、おばあちゃんまで、幅広い層の御客さま来場。もう村祭りにやってきた旅芸人状態で、やんやと盛り上がりました。グッズの売り上げも半端なく、「幸運なんです、雲南です(雲南市のキャッチコピー)」が頭の中をぐるぐる回りました。

 

4回目のライブとあって、やっと進行に社長も工員も慣れてきました。びしびしと楽器も人間も動くようになり、「ああ、この緊張感を東京ライブでも再現したかった・・・」と思いました。

 

ライブツアーというのは、やっぱり船の航海のようだと思います。今回はボロボロ状態で出向しましたが、各地の港につくたびに修理、訓練を重ねて、ようやく島根でベストコンデュションにもっていくことができた気がします。へなちょこだった新人工員さんたちも、みるみるたくましくなっていき、心強いです。やっぱり旅は人を強くしますね。

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物販も売れましたねー。

 

撤収作業もますます磨きがかかり、一時間で楽器はほぼ梱包完了。二時間後には福岡に向けて出発しました。すばらしい!

さあ、次はふたたび海を越えて福岡へ。イカリをあげよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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土佐が土佐にきた! ボイスメカニクスin高知

 

明和電機、ひさしぶりの高知です。前回は高知県立美術館で「ナンセンスマシーンズ展」を開催、たくさんのご来場者と、たくさんのアルコールをいただきました。

今回は前日に大阪のライブを終え、夜中の12時に大阪を出発、早朝5時に到着して仮眠、9時から会場で設営開始というしびれるスケジュールで乗り込みました。


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今回の会場は高知新聞ホール。ひさしぶりの広い会場です。午前中には楽器のセッティングも終わり、本番までの時間、これまでの東京、大阪のライブをふまえ、「どうしたらもっと段取りがよくなるか?」をもとに、工員さんと動きの練習。


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とにかく明和電機のライブは演目ごとに楽器の出し履け=段取りが多い。それにあわせてマイクの移動もあり、とにかく工員さんはチェスを打つように楽器の移動を考えなければいけません。それを間違えると、ステージが大混乱、お客さまからも、「ああ・・しくじりおった」という視線がとんできます。今回の高知ではやっと段取り練習がうまくいき、本番もスムーズにいけました。

高知ライブで壊れた楽器といえば、社長のオタマトーンジャンボ。リハーサルのときにマネージャ-のタイチ氏が「ジャンボから、白い煙があがっとおるううう!」と絶叫。で、床に置いていたジャンボ見ると、バッテリーからもくもくと白い煙が!どうやらバッテリーがショートしていたらしい。その場で修理して音が出るようになりましたが、やはり本番でトラブル発生で、音が出ず、オタマトーンジャンボの演目を中止しました。うーん残念!

ライブの後は撤収作業。大阪では撤収・積み込みに3時間もかかってしまい、これはまずい。どうにか効率をあげなければ!とみんなで悩んでいたところ、
ベテラン工員KIMURAが突然たちあがり、「僕に作戦があります。”工員は撤収作業のときに、ケーブルに触るな!”です」と宣言。


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これはどういうことかというと、明和電機の楽器はすべ100Vで動き、かつMIDI制御しているので、ステージの上は配線ケーブルだらけ。片づけのときはこのケーブルの巻き取り整理でてんやわんやになるんですが、その作業はだれでもできるから、現地のお手伝いさんにまかせて、とにかく明和電機工員は、専門的な楽器の分解・梱包に徹しろ!ということ。

この「ケーブルノータッチ作戦」がうまくいき、高知では大阪の半分の1時間30分で楽器類の撤収が完了!さすがベテラン工員!

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ツアーという航海を重ねて、工員さんの顔もだんだん引き締まってきました。


さて、ライブのあとは打ち上げ。高知なだけに、頭の中は「ビール カツオ ビール カツオ ビール
カツオ・・・・・。」妄想どおり、カツオの塩たたきと、ビールをいただき、死ぬかと思うくらい、うまかったです。


















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モンスターエンジンさんがゲスト! ボイスメカニクスin大阪

さて、ツアー二日目は大阪。単独ライブとしてはひさびさです。

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東京公演が終わって二日間のあきがありましたので、とにかく楽器の修理。なかでもポイントは東京公演では一度も音がでず、飾るだけのオブジェと化した新楽器「シリンダリコーダー」。調律した試験管に空気を送ってパンフルートのような音を出す楽器ですが、配線間違い、空気漏れなどのトラブルで作動できませんでした。

とにかまずはとにかく音を出すことに専念。25本あった試験管を12本に減らし、確実に音がでるよう、空気漏れ、笛の吹き口、配線をチェック。なんとか大阪ではか細いですが、「ピポピポー」とのどかな音を出してくれました。よかったよかった。

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大阪公演はゲストに「モンスターエンジン」さんが参加。あらびき団で「神々の遊び」を見たときに、衝撃を受け、さらにご実家が本当に鉄工所の西森さんの「鉄工所ラップ」を見て、ああ、この歌を明和電機の楽器と一緒にやれたら・・・と夢想しておりました。それが実現!

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本番では西森さんのラップで始まり、大林さんの「もしも笑福亭仁鶴師匠が大塚愛の”さくらんぼ”」を歌ったら」を実演、そのあと、工員さんが鉄パイプを殴る音にあわせてふたたび西森さんが鉄工所ラップを歌いました。この後半の鉄パイプとラップはかっこよかった!

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大阪といえばハリセンですね。

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武田丸のマウスピースがなぜか本番で紛失してしまい、あわててチワワ笛をマウスピースとしてとりつけましたが、うまくいきませんでした。

大阪で面白かったのは、物販でチワワ笛の「ピンク」と「パンダ柄」がよく売れたこと。東京公演ではピンクは一個しかうれず、ホワイトばっかり売れたのに・・・。さすが大阪!と思ったんですが、まてよ、それならタイガース色の「トラ柄」が一番売れるんじゃないか?と思ったところ、大阪人のスタッフが「大阪だからトラ柄を買う、というのはベタすぎて敬遠してるんじゃないかあ。でもふたつ目を買うとしたら、ぜったいトラ柄を買う!」と言ってました。なるほど!

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さて、大阪公演が終わってステージの楽器の片づけ、梱包、積み込みが終わったら、夜中の12時で、くたくた。そこからツアー車にのって次の高知に到着するのがおそらく朝の5時。その4時間あとの9時からは、ふたたびステージのセッティング開始。・・・・ぎゃー!トライアスロンか!どうなる!高知ライブ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ライブツアー2011 ボイスメカニクス 始動!

 

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明和電機の7年ぶりとなるライブツアー、「ボイスメカニクス」が始まりました。

今回のツアーは、近年取り組んできた「声の機械」たちを中心に、おなじみの明和電機のナンバーや名曲たちでお送りいたします。

さて、初日の東京公演。

これがね、すさまじいトラブルの嵐だったんですね。まあ、ツアーというのは、いわば船の航海みたいなもので、出発したらもう港には戻れない。マストが折れたら、海の上で修理する!なんですが、なんだか港を出発したとたん、本当にマストが折れた!みたいな気分でした。

 

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一番すさまじいかったのは、放電魚(ほうでんな)という「明和電機製品の中で、最高に危険な楽器」がショートして火を吹いたことです。この楽器は「魚器シリーズ」のひとつなんですが、とにかく初期明和電機製品の「魚器シリーズ」は、”安全対策”なんて考えずに作っていたから、危ないモノが多い。放電魚も「マレットの先端に直接100Vが流し、鉄琴にスパークさせて電球を光らせる」という、危険極まりないもので、僕も過去になんども感電してる。

 

さらに、15年前の製品だから、パーツの劣化も始まってる。今回はどこでどうショートしたのか、漏電しており、それに気付か演奏すると、鉄琴を固定していた金属のワイヤー「バチ!」っと青白い炎をあげて焼けきれました。もーびびったびびった。

 

でもね、お客様は大喜びですわ。「きったあ!明和電機のトラブル!」ですわ。いっきに会場もヒートアップですわ。そうなれば、僕もヒートアップですわ。「ピンチのときほど創造性は発揮される」という原則は、もう生命とのんちゅんの基本ですからね。

 

工員さんもトラブル対策には慣れたもので、とにかく「治せるか、治せないか」をとっさに判断、応急処置ができる対応、無理なら「あきらめて先へ進む」。このときは怪しいパーツをガムテープで固定し、後半の演奏はショートしませんでした。

 

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東京公演は経理のヲノさんとNUTも参加。ヲノさんも明和電機に出向してはや18年目です。とにかくリハーサルで突然に社長がお願いする無理難題もテキパキと処理。なのでヲノさんのオルガンには客席から見えませんが、楽譜やら、きっかけやら、たくさんの重要なメモが貼りまくってあります。まさに「経理の机」のように。バリバリモードからの悪ぶりも年々すごみを増してきており、なんだか”裏金も扱える経理”へと変貌しているかのようです。

 

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NUTのみなさんとは2回目の明和電機とのステージですが、今回は「おめでトーン ありがトーン」のほかに地球のプレゼント、明和電機社歌にも参加。これで完全に明和電機の研修を修了、男気のステージに華やかな風が吹きました。ありがトーン!

会場にいらしたお客さまも、ブブセラのようにチワワ笛をぶーぶー吹いていて、「コンサートグッズとしていけるじゃん!」という確信を得ました。どうぞどうぞみなさん、吹きまくってください。

 

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さて、これから大阪、高知、島根、福岡、岡山へと出発。どんな航海になるかわかりませんが、イカリをあげよう!

 

 

ライブの写真のスライドショーはこちら!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「悔しいから、使うもんか。」だったなあ。

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一番最初に自腹で買ったパソコンは、Appleの「LC」だった。25歳。とにかく「シムアース」がやりたくて買った。そしてハイパーカードにどっぷりはまった。「未来がきた!」と本当に思った。それはスマフォでテレビが見れるようになったことよりも、僕の人生の中で驚くべきことだった。

大学の研究室で初めてNeXTを見たとき、すごそうだけど、ちょっとかっこよすぎるな、と思った。この気持ちは、思えばその後、Appleが超デザイン路線、強烈な技術と個性を打ち出しはじめてから、ずっと僕の気持ちの底辺に流れつづけた。気がつけば僕はAppleを離れ、「大人の翼、IBM」の701を買っていた。

それ以来、Appleのパソコンを持つことはなかった。でも横目ではいつも見ていた。すごく良くできている。すごくかっこいい。そんなものを作ってることが、同じモノ作りをしている立場から悔しかった。「使ってやるもんか!」とずっと思い続けていた。

この気持ちは、たぶんずっと変わらない。「あの会社にどうやったら勝てるだろう」なんて、規模も次元も違う、日本の一人のアーティストが嫉妬する。

そんな会社を作った人が逝ってしまった。偉大なものを作った人間が消えるのは、もったいなすぎて悲しい。もっと作っただろうにと思う。手塚治虫が逝ったときもそう思った。

さて。僕らは生きている。

偉大なものを僕らも作ろう。

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ツアーにむけて、圧縮作業中!

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いやあ、ボイスメカニクスツアーまでいよいよ一カ月です。明和電機のアトリエはその作業に追われれててんやわんや。

なにをやってるかといいますと、「圧縮作業」です。ツアーは連日、「車で移動、組み立て、ばらし」なので、とにかくコンパクトな収納、そして組み立てやすさが大切なポイント。で、今までの明和電機の製品の大物をとにかくコンパクト化しています。

さらに、ツアーでは機材が壊れても、修理する暇がない。なので、「ああ、これは壊れるな・・」と思われる部分は徹底的に強化しています。

 

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今回のツアーで一番の大きな荷物は、「ELT」と呼ばれる、巨大な電光掲示板。アーティストのクワクボくんと1998年に作ったものなんですが、これがとにかくでかい!2メートル×1メートル×30センチが4台。つまりイメージでいうと、巨大な本棚が4つ分ぐらい大きさです。

厚みが30センチあるんですが、これを現在7センチまで圧縮中。うすい!ビエラですか!そのために「40W裸電球」から「12W蛍光灯」へとモデルチェンジ。つまり「ELT2号」を作ってます。時代の変化で薄くなるのはテレビだけじゃないんですねー。明和電機もなんですねー。

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さてライブツアーですが、大阪公演にモンスターエンジンさんのゲスト出演が決定しました!

いえい!

前から気になって気になってしかたなかったからねえ・・・。「神々の遊び」とか。僕も神になりたかった時期あったからねえ。そしてなんといっても「ちゅーしょーきぎょー!!」だしねえ。どんなことになるのか、ご期待ください!

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ツアーの詳細はこちら!























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リンツの製鉄所を見学

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さて、リンツの筑波大学展、連日いろんな方が見学にいらっしゃいます。オタマトーンもチワワ笛も大人気。

 

 

 

 

今日は夕方のデモで、オタマトーンとチワワ笛とジャンボで演奏しました。オタマトーンを洗濯はさみでつまみ、バグパイプみたいにドローを鳴らしてます。そしてジャンボの演奏。

 

 

 

さて、デモがない空き時間に、リンツの製鉄所を見にいきました。

 

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リンツの石畳が残る古い伝統的な市街から、タクシーで5分も走れば、いきなり工場地帯になります。このギャップがすごい。アルスレクトニカのフェスティバル会場にいただけではわからない、「鉄の街 リンツ」の姿をやっと見ました。

 

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この巨大な製鉄所は「Voestalpine」という会社が経営しています。その敷地内に「鉄の博物館」があるので言ってみました。展示そのものは「ああ・・・代理店にだまされた」的な、ただきれいなだけのがっくり展示だったんですが、メインはそれではなく、バスツアーでの工場見学!!

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約1時間30分かけて、工場の敷地内のガイドしてくれます。残念ながらドイツ語なので何を言ってるのかさっぱりわかりませんでしたが、工場は圧巻。残念がら製鉄工場中は撮影できませんでしたが、ドロドロに溶けた鉄や、巨大な溶鉱炉や、20センチはあろう鉄の板が猛スピードで引き延ばされる姿は、迫力満点でした。

 

ふだんメディアアートやスマフォやクラウドといった情報系にばかり触れていたので、この「鋼鉄のみ、デジタルなし」の世界のずぶとさは考えさせられます。どんなに社会が情報化しようが、この鉄を作る世界の基盤はなくならない。

 

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製鉄所として繁栄したリンツはその後、製鉄の景気低迷ともに街の力を失っていきます。そしてをれを何とかするために街が考えだしたのが「デジタルアート、メディアアートという新しいテクノロジーを観光資源にした街おこし」でした。この製鉄の街が、情報産業で復活したところがちょっとピッツバーグに似ています。

 

ピッツバーグはアンディ・ウォーホールという芸術家を生みだしましたが、リンツはヒットラーを育てました。鉄の街はカリスマを生むんでしょうか。

 

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ナチスは暗黒の歴史ですがリンツの地下にある巨大な飛行機工場跡地など、だんだん情報が解禁になってるそうです。ヒットラーは死の直前まで、リンツの街を芸術都市にすべくドナウ川ぞいにさまざまな博物館や美術館をならべたジオラマを作って眺めていたらしく、なんだか今のアルスセンターやブルックナーハウスやレントス美術館が並ぶドナウ川ぞいの風景とのリンクを感じます。

 

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そのリンツにドナウ川で、アルスエレクトロニカ恒例の花火があったんですが、これが日本で見る花火とは趣が違います。だれも「たーまやー!」と歓声をあげず、静かに眺めています。これは僕が受けた印象ですが、日本の花火には「あの世」につながる世界があり、それがはかなさとか美しさ、一瞬の”粋”としての「花の心」があるんですが、ヨーロッパで見る花火は、なんとなく西洋画で見る花の静物画のような唯物的なグロテスクがあります。「神」とか「あの世」の世界へはつながらない。

 

一緒に花火を見ていた外国人の女の子が「なんだか戦争を思い出すようで、花火を見たくない」とぼそり。日本ではそんなこと思いもしなかったけど、リンツで見た花火、その気持ちがちょっとわかりました。

 

アルスエレクトロニカの日本人の作品は、ヨーロッパにくらべて社会問題や政治性が薄いといわれる。花火にみる「花」の感覚の違いが、メディアアートの光の中にもあるのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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リンツのホームセンターで大興奮、しかしHARIBOで撃沈。

 

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オーストリアのリンツ。街の中心は石造りの古い建物だけですが、郊外に出ると日本と同じで大型のショッピングモールやホームセンターがあります。

で、ホームセンター好きな僕にはたまらん「BAUHAUS」へ。ここはいわば日本でいえばジョイ本。またはスーパービバホーム!大型のホームセンターです。

 

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中に入ると・・・うぉーー!!ホームセンターだあ!(当たり前)。ほんと、ホームセンターってテンションがあがります。なんでも作れる気になる。神の領域に近づくからか、この興奮。しかも海外のホームセンターだから、微妙に工具が違う。その微妙さに大興奮!うーん、この感覚、女子にはわかるまい。

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でた!ボッシュ!リンツはすぐとなりがドイツだからね。ボッシュの本場だね。日本のホームセンターとまったく同じ展示だけど、それでも見たら興奮するね、ボッシュ。サンダーバード2号と似てるしね。

 

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一見なんだこれ?と思ったけど、よくみたら「暖炉」なのね。このくそ暑い夏に、もう暖炉売ってる。いや、一年中売ってるのか?とにかく日本では見かけない、アーバンな暖炉がたくさん売ってました。どことなく、日本のアーバンな仏壇を思い出します。

 

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もうひとつ「なんだこれ?」と思った機械。実は「巻き割り装置」。丸太をセットすると刃物が油圧で降りてきて、ぱっかーん!と切断する機械。…こわい!ギロチンじゃん!でもちょっと動かしてみたい。

 

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お店に行ったのがお昼時だったので、食堂にはガテンな男たちが続々集合。みんなペンキとかコンクリートの破片とか頭についてるのね。お店の名前がズバリ「BAUHAUSビストロ」。きたあ!

 

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そんな荒くれ男たちの胃袋に放り込む食べ物をさばくおばちゃん。この人もただものでない。見よ、このまなざし。「あんたらの肉袋にあたいが作った肉をぶち込んだろか」って感じだ。

 

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で、食べたのがこれ。めっちゃおいしかった!塩豚、ポテト、パンのだんご。たぶん労働者向けなんだろうね。塩っぽいけど、ざっくりうまい!海外だからおしゃれにみえるけど、これ、たぶん日本でいえば「めし」だと思う。「ランチ」とか「ごはん」じゃなくて、「めし」。日本だとサバとか煮びたしとかガラスケースから好きなもの取ってがっつりたべる食堂あるけど、あれだね。「めし」!

これが一番リンツで食べたものでおいしかったです。肉と小麦とイモだけなんだけどねー。素朴なんだけど、うまく作るなあ。

 

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さて、BAUHAUSで大満足の食事をしたあと、となりにグミの「HARIBO」の工場とショップがあったので覗いてみました。

 

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・・・・なんだこの整然と並んだ、人工甘味料、合成着色料は。BAUHAUSビストロの自然派な気分からンドロイドな気分へ。

 

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でかい!どうやって食べるんだ?このグミ。かじるんか?もぐもぐとかじるんか?口のなかをグミグミにするんか?

 

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・・・うぎゃあああ!

これ、人間が食べるものなんですか?釣りの塩化ビニールでできたワームとじゃないですか?

こういうのを見ると、ヨーロッパ人と日本人の食に対する違いを感じる。日本人から見れば明らかに「毒」に見える。こうしたキッチュな見た目が「食欲」につながっていく回路がわからない。でもたぶんそれはヨーロッパ人が日本の魚の踊り食いや口がパクパク動いてるアジの刺身を見てうげえ!食えねえ!と思うのと一緒なのだろう。

 

グロテスクは刺激であり、それが食欲につながるチャンネルがありさえすれば、なんでもありなのだと思う。

 

 

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とはいえ、娘をそっちのけで、ケースの中からHARIBOをすくいとるお母さんを見ると。「・・・でゅー ゆー のう 食育?」 と聞きたくなる。お母さん、そのヒップはHARIBOでできてるんですか?

となりの天使のような子供も、HARIBOによってママのようなヒップになるんでしょうか。

 

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これがHARRBOのトレードマーク。なんだろう、日本語でいうと「はり坊」か?むじゃきな顔をしてますが、恐ろしいものを売ってる少年です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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アルスエレクトロニカで 泥酔。

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昨晩はブルックナーハウスで、アルスエレクトロニカのメインイベントである「GALA」と呼ばれる授賞式でした。2003年に明和電機はこの受賞式で、いわゆる「盛り上げ隊」としてパフォーマンスをやったんですが・・・

 

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今年の盛り上げて隊はこれ!マシトミンで活躍する高橋くんが作った自動拍手マシーン!絶妙なタイミングで動くこの機械に、会場じゅうが苦笑と失笑と爆笑にミックスジュースになってました。

 

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そしてもう一つの盛り上げ隊はオープンリールアンサンブルのみなさん!キュートなメロディーと和田くんの笑顔に、会場が大うけしてました。

 

今年の受賞作品は、国際情勢やネット環境の進歩による社会変化などをふまえた作品が多く、かなり批評的でした。アートの役割として、既存の社会システムを越えていく、というのはあると思いますが、日本人が感じる以上にヨーロッパのアートはそれが強く、ふと息が詰まる思いがしました。そんな中で、日本人アーティストのみなさんの純粋に楽しい「盛り上げ隊」は、アルスエレクトロニカの良いバランスになっているのかな、とステージを見て思いました。

 

 

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さて、授賞式のあとはパーティー。ざっくばらんにいろんな方とおしゃべりしながら、飲みます、飲みます。

 

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そして会場を移動して、アルスセンターにて別のパーティー。つなみにDJは真鍋大度さん。やっぱり盛り上げ隊は日本人なのか?

 

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そしてまたまた会場を移動して、ワイン祭りへ。ここには「ステューム(嵐)」と呼ばれる、ワインになるまえの不思議でおいしい飲み物が目的できました。二日連ちゃん。なんでしょう、この味。わかりやすくいうと、昔、日本のお米やで売ってた「プラッシー」という飲み物があったんですが、それのワイン版という感じ。くいくいいけます。

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くいくいいくのはいいですが、あまりのはしご酒に、社長も壊れ始めました。上の写真をいつとられたのか、記憶があやしい。デジカメ写真を整理してて出てきてびびりました。

 

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そして最後は酔っぱらったまま、近くの大聖堂へ。ここでは、サウンドパフォーマンスで、かなりプリミティブな音が「ズーン ドーン ピコーン」と鳴ってまして、いっきに眠りの世界へいざなってくれます。気がつけば、ミサの椅子で横になって寝てました。

 

一緒にいったみなさんも帰ってしまい、ときおり青い作業服で教会で寝てる日本人が珍しいのか、それとも知ってるのか「オオ!メイワデンキ!」とか話しかけれられましたが、泥酔で視点のさだまらない目で見つめ返していたと思います。

 

で、結局目が覚めたのが夜中の三時。会場、だーれもいない。

ほんと怖いですよー。目覚めたら、見知らぬ土地の真夜中の教会って。白い三角かぶって目だけだしてる「盛り上げ隊」の人とか出てくんじゃないかって、ちびりそうになりました。

 

あわてて飛び出て自転車こいで、ホテルのふとんにもぐりこみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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オーストリア・リンツの「アルスエレクトロニカ」にきてます。

 

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デジタルアートの世界的なイベント、アルスエレクトロニカに来ています。2003年に明和電機で来て以来、三回目。今回はイベントの特別展で「筑波大学展」が開催されており、その中で筑波OBのアーティストとして出品しています。

 

 

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ここが大学展の会場。

 

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展示準備中のみなさん。

筑波大学は岩田先生を始め、岩井俊雄、原田大三郎、明和電機、クワクボリョウタ、近森基・・・などなど、とにかくアルスエレクトロニカに関わる作家が多数出てる大学。そうしたいわゆる「ツクバ系」を俯瞰する展示でもあります。

 

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展示のコンセプトはツクバ系のアーティストの特徴である「プレイフル」と「シリアス」。遊びとシリアス。まさに明和電機もぴったり。

 

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明和電機はオタマトーンファミリーを展示しました。子供に人気でしたねー。

 

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さてここは筑波大学展ではなく、別会場の「アルスエレクトロニカセンター」。ロボットをテーマにした展示が行われていました。おお、学研のテオヤンセンも展示されてます。

 

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鎮座まします石黒先生のテレノイド。やっぱり存在感あるなー。

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会場のキネティックアートの映像展示では、WAHHA GOGOの説明映像も流れていました。同時に、ロボットアーティストのジムホワイティング(ハービーハンコックのROCK ITのコラボで有名)や、チコ・マクマトリーとも一緒の展示で、ああ、明和電機は正当なナンセンスマシンの系譜なんだなあ・・・と光栄でした。

 

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その奥の部屋には、ドーン!とクワクボくんの「10番目の感傷(点・線・面)」をアルスセンターのスタッフたちとリアレンジした「Lost #2」が展示。やっぱこれは名作です。

 

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夜はワイン祭りもあって、街じゅうがにぎやか。ストームちょっと炭酸のきいた甘くておいしいワインを飲みながら、うだうだとアーティスが集まって夜中まで酔っ払いトークをするのも、またアルスエレクトロニカの味わいですね。























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