117億円は「高い」のか?「安い」のか?
自分でも理解するために、物語にしてみました。
題して、「じゃぱんマン物語」
「やなせのぶみち」は、貧乏なクリエーターでした。
なぜか「じゃぱんマン」というキャラクターにとりつかれ、
誰にいわれるでもなく、せっせと「じゃぱんマン」の
マンガや、フィギュアや、主題曲を作って、暮らしておりました。
ところがある日、この「じゃぱんマン」がネットで話題になり、
彼が作ったキャラクター商品が、ばんばん売れ始めたのです。
注文は、国内だけでなく、海外からもきました。
「やなせのぶみち」は、グッズ制作に大忙し!
うれしい悲鳴をあげました。
預金通帳をひらくと、巨額の入金がありました
国内での売上・・・・・・1億5000万円
海外での売上・・・・・・1億1100万円
これには、「やなせのぶみち」も、面玉が飛び出るほど
驚きました。
そこで、「やなせのぶみち」は考えました。
「さらに売上を伸ばすために、じゃぱんマンの資料とグッズを
全部あつめた、”じゃぱんマン・センター”を作るのはどうか?
ポケモンセンターみたいに!!」
「やなせのぶみち」は、2億6100万円のなから、
117万円を使って、「じゃぱんマンセンター」を作りました。
めでたしめでたし。
*
さてさて。
この物語の「万円」の部分を、「億円」にしたのが、
今回のさわぎです。
文化庁から頂いた資料を見ると、漫画、アニメ、ゲーム、映画を
あわせた日本のコンテンツ産業の市場は、平成21年度で
国内・・・・1兆5032億円
海外・・・・1兆1139億円
合計・・・・2兆6171億円
のようです。
日本のこの市場をさらに伸ばすために、(特に海外)
投資をする。そのひとつが、今回の「メディア芸術センター構想」
なのだといえます。
ちなみに、
JST(科学技術振興機構)が、「新技術創出研究」
つまり、新しい科学技術の開発のために
「研究費」として支出している予算が、597億円。
http://www.jst.go.jp/pr/intro/yosan.html
です。
597億円という額は、一見とてつもない額に見えますが、
この投資によってたくさんの特許が得られ、
それを産業化することで、膨大な売上がカムバックするので、
「日本商店」としては、たいした額ではないのです。
それを考えると、2兆6171億円という市場を作り出している「日本商店」が、
先行投資として、「ショールーム」のひとつも作ってないのは
どうかな?と思うのです。
だって、その市場からも、たっぷり税金が国にいってるのだから。
懸念することといえば、117億円で、みてくれだけがよくで、中身が
ガランドウのショールームができてしまうことですね。
その可能性は十分にあります。
だって、東京都現代美術館の建設費だけで415億円ですからね。
作品の購入費を除いてです。
できるだけ、建物の予算をおさえて、コンテンツ資料のアーカイブ、
研究施設、サロン、企画展示室などの「中身」の充実にかけたほうがいい。
秋葉のラジオセンターとか、建物はぼろくても、十分面白いし、
商売になってますから。