大昔、自分の顔を見たいときは、甕(かめ)に水を張って、それをのぞいていました。
これが「水鏡」。
その後、青銅が発見されると、これをピカピカにみがいて「青銅鏡」ができた。
水鏡の時代は、なんとなーく自分の顔が見えるから、
そうそう気にしなかった顔のディテールが、
「青銅鏡」になったとったん、くっきり見えてしまった。
「わー!!こんな顔だったのか!自分!」
ということになった。
かくして、地球上に化粧品が誕生するのである。
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日本人は、メディア芸術が世界で大ウケしているのを、意外と知らない。
政治家までが「マンガ喫茶」発言をしてしまうレベルである。
「文化の自己確認」ということでいえば、まだまだ
「水鏡レベル」
なのだろう。
しかし、世界を見ると、
「青銅鏡レベル」
なのである。
韓国も、中国も、フランスも、「うちのメディア芸術が世界一」という
自己確認を国民のみなさんに納得させるため、
巨額の予算を割いて、「青銅鏡」を作っている。
国が。
さて。
機械では、「自分がどれだけ動いたか、自分に教える」
というシステムがあり、これを「フィードバック」という。
フィードバックシステムがあると、例えば車であれば、
ガソリンの噴出量を調整でき、とても燃費がよくなる。
なにが言いたいかというと
創造的社会において、
自らが作ったものを世界基準で確認できるシステムは、
機械における「フィードバック」と同様、
創造性の効率を上げるのである。
日本人は、世界的にみても、「文化レベル」は「超美人」なのである。
だから鏡を作って、自意識過剰になって、
さらなるモノ作りにはげんで欲しいと思うのである。