オタマトーンDXのハードケースを作る動画をYOUTUBEにアップしました。本格的に楽器として使えるオタマDXは、やっぱり楽器ケースに入れて持ち歩きたいな!という熱い想いがありましたからね~。
8月18日(土)に明和電機のアトリエにて、このオタマトーンDX楽器ケースを作るワークショップを開催しますので、ご興味がある方はぜひ!
さて、自分の人生を振りかえってみると、一番最初に楽器ケースを持ち歩いたのは、中学生のときのフォークギターかな?姉が持っていたギターを、学校の授業で使うために持ち出したのが最初。
もーね、中学生でギターケースを抱えてあるくとですね、ヒーローですよ。当時は「F」のコードなんて、まったく押さえられないにもかかわらず、「あいつ、楽器やってるみたいダゼ」ってうわさですよ。思春期の自意識大爆発。もうオレはミュージシャン。ですよ。
ちなみに僕は中学校のときブラスバンド部で、パーカッションをやってました。打楽器ってドラムも含めて、「ケースに入れて持ち歩く」ってことがほとんどない。たいがいスティックぐらいなものです。当時はなぜか部活の後輩女子が先輩のためにスティックの袋を「巾着袋」で作るのがはやっており、僕もそれをもらって、スティックを持ち運んでました。
これがねー、素朴すぎるんですわ。巾着袋だから。お裁縫だから。それも中学生女子の。しかもチェック柄だったりして。ミュージシャンって自意識は爆発しなかったなあ。
さて、高校生になったら、コンピューターミュージックにはまって、シンセを入れた楽器ケースを持ち運ぶようになりました。これがね、地獄です。めっちゃ重い。今みたいに「iPadでお手軽ミュージック」みたいな軟弱なものはなかった。
一番重かったのはなんといっても「DX-7」というヤマハの名器シンセ。楽器ケースに入れると、腕がひきちぎれるかと思うぐらい重い。そしてもう一台「JUNO-106」というこれまた重いシンセの2台を家から学校まで(1時間通学)してたときは、泣いたね。泣きました。
今の若者のデジタルミュージックが軟弱なのは、あのDX-7を運ぶという試練を体験してないからにちがいない!(独断)
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さて、そんなこんなでその後、僕は明和電機で奇妙な楽器を作りまくるんですが、楽器ケースでひどい目にあったことがある。
明和電機の楽器で「武田丸」という、特殊なサックスがある。これは暴走族のヤンキホーンを改造した楽器で、「ゴッドファーザー」しか演奏できない、という男気あふれる一品。1998年、これを使って、イ・パクサというミュージシャンと韓国でレコーディングをすることになった。
そこで何を思ったか、当時の僕はこの武田丸をフォークギターのケースに入れて、国外持ち出し、韓国入国をしようと思ったんです。今思えば完全にアウトなのに、そのときは当たり前にそう思ったんです。
なぜかというと・・・・
この映画の影響ですわ。「デスペラート」。アントニオ・バンデラスたちが、ギターケースの中にマシンガンを入れて持ち運ぶというめっちゃかっこいい映画です。これを見てしまったために
「オレも、ギターケースの中にヤンキーホーンを仕込むぜ!」
と自意識が爆発してもたんです。
当然アウトです。
当時の韓国は、韓流ブームなんて皆無で、しかも韓国のCDショップにいっても日本のCDなんて一枚もないという緊張感あふれる日韓関係だったんです。そこへ得たいのしれない機械を入れたギターケースを持った日本人が韓国の金浦空港に現れたわけです。
捕まりました。別室につれていかれました。
なんだか恐ろしげなおじさんの空港の税関官と、その助手らしい女性税関官が「これはなんだ?ハムニダ」と聞いてくる。「・・・楽器です!」と答えたが、まったく信じてもらえない(当たりまえなんですけどね)。そのうち「楽器なら、この場で組み立てて演奏してみなさいハムニダ」と言ってきた。
え?ここで?金浦空港で?
心の中では、空港じゅうに響き渡る「ゴッドファーザー・愛のテーマ」の爆音を想像して、”きたあああああ!”とこぶしを握り締めていたんですが、組み立て終わったとたんに税関官の方が「わかった。たしかに楽器ハムニダ」ということになり、演奏できなかった。残念でした。
次回はぜひオタマトーン楽器ケースで捕まりたい・・・かな?
わはは。
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