ABUロボコンの中国大会を北京で目撃し、そのあまりのメカッぷりに驚愕した社長。その中でも、圧倒的なスピードで優勝をかっさらった成都の「電子科学技術大学」っていったい、どんな環境でロボットを作ってるんだ?と、興味がわきました。
おそらく、中国の最強のチームだから、ウルトラファクトリーや金沢工業大学なんかより、はるかに先進的で設備の整った、バツグンの環境で作ってるんだと想像してましたが・・・・
行ってビックリ。「え?こんな場所で、あの最強のロボットを作ってんの?」という環境でした。大学のはずれの森の中。建物に入るのに、なぜか泥のぬかるみを通らなければならない。(ロボットを作る前に、このぬかるみを治そうよ!!)
そして、とにかく暑い!蚊が多い!
部屋の中央には、ロボコンのフィールドが再現されているんですが、そのまわりには、過去のロボットの残骸やらスクラップやらが、わんさか。なんだか秋葉原のジャンク街に来たみたいな印象です。
と・こ・ろ・が。
いざロボットを稼働させてもらうと、そのスピードや機構のアイデアにびっくり。何より、学生さんたちのF1なみのきびきびした行動にもビックリ。
これはあれだ。アニメでいうと、キャプテンハーロックのアルカディア号だ。ふだんはごちゃごちゃだけど、いざ戦闘が始まったら、ものすごい強いという・・・・(わかる人しかわからんか)
時間がたって目が慣れてくると、いままでごちゃごちゃだったと思っていた部屋が、実は機能ごとに整理されていたことがわかってきました。スクラップの山も、実や「おれたちは、これだけの試作を作ってきたんだぞ」という、モニュメントのようなものでした。
ロボコンのロボットの開発は、大きく分けると「アイデア」「設計」「試作」の三つになります。企業だとこのあとに「製品化」という作業が入りますが、開発型のロボコンでは、試作どまりです。
この三つの流れはスムーズにいくことはなく、かならず失敗があり、そのたびに前の作業にもどって検討しなおすという「思考錯誤」があります。電子科学技術大学は、とにかくこの「思考錯誤」を積み重ねたきた、という印象でした。
顧問の先生が「とにかく、まずたくさんのアイデアを考えさせます。それは見たこともないような斬新でなければなりません。」と言ってました。
リーダーの学生さんに、「アイデアに意見が、二つに分かれたときにはどうするのか?」と質問すると、「実際に作ってみます」と言ってました。
この「頭で考え、そして手で、ひたすら思考錯誤する」ということが、この大学が最強のロボットを作り上げる原動力なのだな・・・・と思いました。