明和電機の7年ぶりとなるライブツアー、「ボイスメカニクス」が始まりました。
今回のツアーは、近年取り組んできた「声の機械」たちを中心に、おなじみの明和電機のナンバーや名曲たちでお送りいたします。
さて、初日の東京公演。
これがね、すさまじいトラブルの嵐だったんですね。まあ、ツアーというのは、いわば船の航海みたいなもので、出発したらもう港には戻れない。マストが折れたら、海の上で修理する!なんですが、なんだか港を出発したとたん、本当にマストが折れた!みたいな気分でした。
一番すさまじいかったのは、放電魚(ほうでんな)という「明和電機製品の中で、最高に危険な楽器」がショートして火を吹いたことです。この楽器は「魚器シリーズ」のひとつなんですが、とにかく初期明和電機製品の「魚器シリーズ」は、”安全対策”なんて考えずに作っていたから、危ないモノが多い。放電魚も「マレットの先端に直接100Vが流し、鉄琴にスパークさせて電球を光らせる」という、危険極まりないもので、僕も過去になんども感電してる。
さらに、15年前の製品だから、パーツの劣化も始まってる。今回はどこでどうショートしたのか、漏電しており、それに気付か演奏すると、鉄琴を固定していた金属のワイヤー「バチ!」っと青白い炎をあげて焼けきれました。もーびびったびびった。
でもね、お客様は大喜びですわ。「きったあ!明和電機のトラブル!」ですわ。いっきに会場もヒートアップですわ。そうなれば、僕もヒートアップですわ。「ピンチのときほど創造性は発揮される」という原則は、もう生命とのんちゅんの基本ですからね。
工員さんもトラブル対策には慣れたもので、とにかく「治せるか、治せないか」をとっさに判断、応急処置ができる対応、無理なら「あきらめて先へ進む」。このときは怪しいパーツをガムテープで固定し、後半の演奏はショートしませんでした。
東京公演は経理のヲノさんとNUTも参加。ヲノさんも明和電機に出向してはや18年目です。とにかくリハーサルで突然に社長がお願いする無理難題もテキパキと処理。なのでヲノさんのオルガンには客席から見えませんが、楽譜やら、きっかけやら、たくさんの重要なメモが貼りまくってあります。まさに「経理の机」のように。バリバリモードからの悪ぶりも年々すごみを増してきており、なんだか”裏金も扱える経理”へと変貌しているかのようです。
NUTのみなさんとは2回目の明和電機とのステージですが、今回は「おめでトーン ありがトーン」のほかに地球のプレゼント、明和電機社歌にも参加。これで完全に明和電機の研修を修了、男気のステージに華やかな風が吹きました。ありがトーン!
会場にいらしたお客さまも、ブブセラのようにチワワ笛をぶーぶー吹いていて、「コンサートグッズとしていけるじゃん!」という確信を得ました。どうぞどうぞみなさん、吹きまくってください。
さて、これから大阪、高知、島根、福岡、岡山へと出発。どんな航海になるかわかりませんが、イカリをあげよう!
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