行ってきました。パットメセニーの自動演奏コンサート。もーね、感無量です。
僕がパットメセニーに出会ったのは、「スティルライフ」のころ。今から20年ぐらい前かな?ちょうど明和電機をやろうかどうか、迷っていた学生のときでした。そのころは、漠然とした未来に対する不安と、おおいなる希望みたいなものがごちゃまぜになってて、筑波の原野の吹きっさらす風の中で胸をはっていた。そのときのBGMとして、このアルバムがぴったりだった。
そのパットメセニーと、まさか「メカ楽器」でお近づきになるとは!とにかくご存じない方は以下の動画をごらんください。
なぜ?なぜ?いきなりメカ楽器?パットメセニー自身も、ライブトークで、まわりから「お前、気でも狂ったか?」と言われたそうです。
コンサート会場には積み上げられた楽器たち。それらがすべてコンピューター制御で動き、その伴奏に合わせてパットメセニーが3時間ほど弾きまくり。とにかく明和電機としては
「壊れない」
「機械のノイズがない」
というだけで、まずは驚きでした。
そしてなにより、”音楽家”としてのパットメセニーが強く印象に残りました。人間を排除して、機械だけになった分、作曲のアルゴリズムが見えてくる。あらかじめ打ち込んだ曲に合わせての演奏もすばらしかったが、途中で何度か演奏した、リアルタイムに打ち込みをしながら曲を作っていくインプロビゼーションでは、「公開!パットメセニーサウンドの秘密」みたいな感じで、すごく面白かった。
メカニックな技術の完成度もすばらしいが、それ以上に「制御の勝利」を感じました。動く機構の部分ではおそらく30年までも可能な技術ですが、それをリアルタイムに制御し、かつ、まったく演奏の送れなく再現するコンピューターのパワーは、やはり今じゃないとできないコンサートだったと思います。
ネタばれになりますので、あまり内容には触れませんが、とにかくおもちゃ箱の中でキャッキャとはしゃぐ子供のような、ヨーロッパの大道芸のハイグレード版のような、ステージでした。
楽屋におじゃまし、明和電機のDVDなどで楽器を見ていただき、オタマトーンをプレゼントしました。
明和電機の「歌うロボット」。コーラス隊として、メンバーに入れてくれないかなー。