11月28日メレンゲの気持ち」に出演。
大人気のオタマトーンですが、そもそもなんでこのオモチャを作ることになったか?
というと、僕の中に、
「なんで人間は声を出すの」
という疑問が、あったからなんですね。
ちょっとここで、「声が出るしくみ」を見てみましょう。
なんで人間が声を出すかというと、まず
「声を出せ!」と、脳が命令するからです。これが制御体(=)。
次にその命令で、筋肉が動きます。これが運動体(=)。
そしてそれによって、のどにある声帯が振動して音が出ます
これが発音体(=)。
そして最後に出た音を、口の開け閉めを変えて、「あ」とか「お」とか
ちがう音を出す。これが口によるフォルマント(=)。
流れを書くと、
制御体・・・・脳
↓
運動体・・・筋肉
↓
発音体・・・声帯
↓
フォルマント・・・口
です。
これは面白い!ということで、フォルマントを除くからまでを
機械で作ったのが人口声帯ロボット「セーモンズ」です。
2003年に作りました。
これがセーモンズの声の出るしくみ。
冒頭の人間の図と比較すると、
脳は「コンピューター」、筋肉は「モーター」、声帯は「人工声帯」に
置き換わっています。
でも、この機械には「あ」とか「お」とか発音する、「くち」がなかったんです。
専門用語でいうと「フォルマント」がない。
その後、セーモンズを応用して「ディンゴ」という、犬のように吼える機械を
作りました。2004年です。
この機械には「口」がついています。だから「わ」と「ん」が発音でき、
犬の鳴き声のような、「わん!」という音を出すことができました。
さらに、今年に開発した人工声帯で笑う機械「WAHHA GOGO」も、
やはり口があり、「わ」と「は」の音が出せるので、「わっはっはっは・・・・」
という笑い声を出すことができました。
こうした、声をテーマにした機械をいろいろ作ってきたノウハウを
オモチャにしたのが、オタマトーンなんです。
これがオタマトーンの音が出るしくみです。
それでは、人間が声を出すしくみと比較してみましょうか。
こんな感じです。すごく人間の声を出すしくみと似ています。
これを見ると、オタマトーンは演奏者にとって、「第二の声」ともいうべき
楽器というのがお分かりいただけると思います。
オタマトーンが、人間の歌声に似ているのは、
しくみそのものに共通点があるからなんですね。