「明和電機さんの作るものの名前って、おもしろいですね」
とよく言われます。
もーね。
そこは、練りに練ります。
よく公募展とか見にいくと、作品で、「無題」というのがあります。
「なんで作品名をつけないんですか?」
って質問すると、
「わたしは作品で勝負している。作品を見てもらえばすべて伝わる。
名前も、作品を縛るので、あえて無題とした。それが誠実なのだ。」
とか答えたりする人がいる。
こらこらー。ちゃうでしょう。
誠実なのは、
「作品と等価の言葉を、私たちの生きている世界の中から見つけてあげること」
でしょう。
言葉は少なすぎても、多すぎてもいけない。
ぴったりの言葉をみつけてあげる努力をする。
それが、自分が作った作品に対する、誠実さだと思います。
だって、自分の子供に「無題」ってつけないでしょ!!
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で、オタマトーンの話。
このネーミングは、かなり悩みました。
最初に「オタマ」という名前がぴったり!ということになったんですが、
すでに、商標をとられて、使えないことが判明。
さあ、こまった。
それで、別案をいろいろ考えました。
「オンプー」「オタマジャクソン(これは、やばかった)」「プーニー」とか。
で、その中で、一瞬、これだ!と自分の中で決まりかけたのが、
「オターマ」。
アメリカ市場をねらうなら、これしかないだろうと。
上図は、南アフリカに向かう飛行機の中で描いたスケッチです。
ぜんぜん似てないな、オバマさん。
でも、帰国して調べたら、「オターマ」も、商標をとっている「オタマ」に
似ているので、ひっかかるらしい。
さあこまった、とおもったときに、素直にひらめいたのが、
「オタマトーン」
エレクトーンのノリですね。
意外に、気がつかなかった、ほんと、素直な名前です。
大切なものは、案外身近にある、ということ発見した、ネーミングでした。